物流のことを、もう少し身近に。LOGI BEERの新シリーズ「副原料×物流の仕事」開発ストーリー

SANKAKU BEER WORKS

インタビュー・編集:原口さとみ
文:佐々木まゆ
撮影:村上大輔

「物流人礼賛」をコンセプトに、物流業界で働く人たちへの労いを込めたCAPESのオリジナルクラフトビール「LOGI BEER(ロジビアー)」。これまで4種類を展開し、いずれも好評をいただいてきました。

第5弾からは新たに「副原料×物流の仕事」という切り口のシリーズをスタート。シリーズ初回は、「麹×パッキング(梱包)」です。

新シリーズが生まれた背景や味わいのつくり方といった開発の裏側について、企画を担当したCAPESのブランドディレクター・澄田果林と、醸造を手がけた「SANKAKU BEER WORKS」のビール事業責任者・林賢太さんに聞きました。

会話を広げる「副原料×物流の仕事」という仕掛け

LOGI BEERは2026年に3年目を迎えました。これまでを振り返って、どのような手応えや気づきがありましたか。

澄田果林(以下、澄田):
物流を知ってもらう入口としてビールを選んでよかったと思います。自社のECサイトだけでなく、直接お客さんと対話ができるマーケットやフェスといったイベント出店も積極的に行っているのですが、缶のポップなラベルを見て手にとってくれる方がたくさんいます。「どんなビールなんですか?」と聞いてくれる方もいて、物流会社が手がけていることや商品に込めた思いを伝えたりも。ビールという媒体を介して、確実に“物流”との接点が生まれていると感じています。ただ、まだできることがあるな、と。

というと……?

澄田:
物流の話ができたとしても、それはまだ10人に1人くらいの話。その1人を、2人、3人と増やしていきたい。もっと多くの人が興味を持つきっかけをつくりたくて、「副原料×物流の仕事」という切り口で企画、シリーズとして展開することにしたんです。

澄田 果林[CAPES ブランドディレクター/コミュニケーションプランナー]

大学卒業後、JCOM株式会社に入社。営業職を経て、映画配給会社アスミック・エースに出向し、宣伝部にて映画作品のプロモーション業務を担当。その後、日本のジュエリーブランドにて、彫金を中心としたジュエリー制作や販売、PRなど幅広い業務に携わる。物流が持つ可能性をもっと多くの人に届けたいという想いから、2023年にCAPESへ入社。商品の企画開発・ディレクションや、広報などを主に担当する。

その新シリーズの特徴を教えてください

澄田:
コンセプトは「副原料をモチーフにしたキャラクターを通して、物流のあまり知られていない仕事を紹介していく」というものです。ビールには、発売する季節や醸造所の土地に合わせて決める副原料をいれるのですが、その副原料をキャラクターに仕立て、キャラクターが物流の仕事をしている様子をラベルにあしらいます。ビールを選ぶ時って味やラベルで判断するので、そのタイミングで「物流の仕事」を目にする接点をつくれたらと思ったんです。
コラボレーションする醸造所やイラストレーターは、その都度異なる方にお声かけすることで、LOGI BEERをつくるという過程から「物流の関係人口を増やす」というのも裏テーマ。ビールの味もラベルのデザインも毎回変わるので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。

ものづくりへの姿勢に惹かれて、念願のコラボレーション

シリーズ第1弾の醸造所は、鹿児島県・川辺町にある「SANKAKU BEER WORKS」です。どのような経緯でご一緒することになったのでしょうか。

澄田:
以前イベントに出店した際、同じく出店者だったSANKAKU BEER WORKSのビールを飲ませてもらったんです。ふくよかで個性のある味わいにびっくりして。聞けば、名水百選にも選ばれている湧水を使い、非加熱・自然濾過で醸造していると。原料もできる限り地元の食材を使い、つくり手の顔が見える関係のなかで協力しながら醸造をしている。その姿勢が素敵だなと感じて、いつかご一緒したいと思っていたんです。

そして今回実現できたんですね。SANKAKU BEER WORKSは、いつから醸造をされているんですか?

林賢太さん(以下、林):
2023年です。もともと関東で食の仕事をしていて、地元に戻り鹿児島市内で料理人としてレストランを営んでいました。醤油まで手造りしていたんですが、唯一手をつけられていなかったのがお酒だったんです。

数あるお酒のなかで、なぜビールを?

林:
レシピの組み立て方が、料理とよく似ていると感じました。味の構成や香りの引き出し方、温度が1度変わるだけで仕上がりが大きく変わるなど、重なる部分が多くて。これまでの経験や考え方がそのまま活かせると感じたのが、ビールでした。

LOGI BEERの話を聞いたとき、どんな印象を持ちましたか。

林:
正直なところ、物流とビールの結びつきがあまりピンとこなくて。物流のイメージは「届ける仕事」くらいの認識でした。でも澄田さんの話を聞くうちに、荷下ろしや検品などさまざまな工程があり、多くの人が関わっていることがわかってきた。私たちもビールを全国に出荷しているので、物流の一部にいるんだなと。そう気づいたら、この企画が他人事じゃなくなって、少しでも力になれたらいいなと思ったんです。

林 賢太[SANKAKU BEER WORKS 事業責任者]

関東の飲食店会社にて、キッチンスタッフ、飲食店ディレクション業務、メニュー開発、新店舗開発等に携わった後、地元鹿児島にUターン。家業である飲食店(株式会社 林光華園)を代継し家業の店の運営を行いながら、地元の食材を使ったレストランHAY grill&coffeeを経営。また地方の自治体と一緒にイベント企画をしたり、企業の飲食店オープンサポート・メニュー提案業務等と食にまつわる様々な仕事を行う。

米麹の決め手は、物流との共通点

「PACKING KŌJI -Hazy Sour IPA-」の副原料には麹を選んだんですね。その理由は?

林:
この米麹は、醸造所から車で10分ほどの所にある焼酎蔵が使っている麹と同じものを分けてもらって。麹は一見地味ですが、発酵を支える縁の下の力持ちなんですよね。主役ではないけれど、いなければ成り立たない。物流の役割と重なるなと思って、今回の副原料に決めました。

澄田さんからのオーダーは「ビアスタイルはヘイジーで、ねぎらいの一杯になるもの」とのことだったそうですね。

林:
はい。ただヘイジーはしっかりした飲みごたえのスタイルなんです。仕事終わりに飲むなら、疲れた体にスッと染みるような軽やかさもあるヘイジーにした方がいいと解釈しまして。そこで、米麹を2種類配合して味に奥行きを出しつつ、酸味をつける工程に通常よりもしっかり時間をかけて、さっぱりとした飲み口に仕上げました。

ラベルに散りばめた「気になる」の仕掛け

ラベルもポップな配色で目を引きます。モコモコしたキャラクターは……米麹ですね!

澄田:
はい、その名も「KŌJIくん」です(笑)。イラストは、京都を拠点に活動されているペインターのMIZPAMさんにお願いして、KŌJIくんが段ボールやガムテープを使って楽しそうにパッキングに取り組んでいる姿を描いていただきました。よく見ると背景のデザインは緩衝材なんですよ。

細かなところまで物流のモチーフがあって、つい探したくなりますね。「物流の仕事」になぜパッキングを選んだのですか?

澄田:
語感がキャッチーで、物流の仕事をあまり知らない方にもイメージしやすいかなと。物流には本当に多くの仕事があるので、次はどんな仕事が登場するのかぜひ楽しみにしていてください!

次の挑戦は、「仕事中でも飲める一杯」

発売後、お客様と物流の話につながる場面が増えたそうですね。業界メディアへの掲載数も過去最高だったとか。

澄田:
新シリーズをきっかけに、認知が広がっている手応えを感じています。物流はいわば暮らしのインフラ。無意識でも誰もがどこかで関わっています。ただ、知るきっかけが少ないため、自分とのつながりに気づきにくい。だからこそ、LOGI BEERが橋渡しとなり、少しでも関心を持ってもらえたらと思っています。

今後、挑戦してみたいことはありますか?

澄田:
「仕事中でも飲める労いの一杯」として、ノンアルコールドリンクをつくりたいですね。「飲んでみたい」というお声もあるので形にできたら。林さんは清涼飲料水の製造免許もお持ちとのことなので、またご一緒できたらうれしいです。
林:
ぜひ! よろしくお願いします。

「PACKING KŌJI -Hazy Sour IPA-」

醸造:SANKAKU BEER WORKS

鹿児島の南に位置するのどかな風景と美しい水場を持つ川辺町の旧川辺中学校校舎を活用した小さなクラフトビール醸造所。非加熱、自然濾過のビールを気持ちいい風景で気持ちのいいビールを楽しめるよう日々醸造している。
https://sankaku-beer.jp/

 

イラスト・デザイン:MIZPAM

京都のライブハウスやクラブでのライブペイントから活動をスタートし、現在は壁画制作を中心に活動。現地で過ごす時間や人との交流を通して得た感覚をもとに、その土地や人々をモチーフにしたキャラクターや世界を、全身を使って描き出すスタイルをとっている。近年は身体の部位を植物や生き物に見立てたキャラクターを展開。ユーモラスで少し不気味、それでいてどこか愛おしい。作品に触れた誰かの日常の中に、ふっと元気が湧くような作品づくりを目指している。
https://www.instagram.com/mizpam_/

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SANKAKU BEER WORKとゆかりのある方々と、「LOGI BEER meets KAGOSHIMA」を開催

2026年3月、SANKAKU BEER WORKSと、SANKAKU BEER WORKSを日頃から取り扱っている酒屋さん、鹿児島にルーツをもつ飲食店さん、そして「PACKING KŌJI -Hazy Sour IPA-」のラベルをデザインしてくれたペインターさんが集い、「LOGI BEER meets KAGOSHIMA」を開催しました。

これまで缶での提供のみだったLOGI BEERですが、今回初めてタップで提供が可能に! 春のはじまりのなか、ビールをはじめ、鹿児島特産の海産物やお肉、焼酎、そしてシルクスクリーンのワークショップまで、さまざまな美味しい楽しい出会いが展開されました。

(LOGI BEER meets KAGOSHIMA 出店者| SANKAKU BEER WORKS クラフトビール酒屋 #80キッチン かねじょうcozi cozi.MIZPAM髭髭倶楽部UPFUL

「LOGI BEER meets」は、産地や販売店などさまざまな場所にLOGI BEERが出向き、物流との出会いの場を起こしていくイベントです。これからもLOGI BEERを起点に、ビールの楽しさも、物流のおもしろさも、広く伝えていきます。

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